家具の基礎知識

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家具で使用される材料には、大きく分けて(1)木材、(2)木質系材料、(3)籐、(4)プラスチック、(5)金属、(6)皮革、(7)布類、(8)合成皮革があります。木材には、硬くて塗りやすい広葉樹が家具の材料として使われています。木材系材料は、木材の欠点である湿度が高い環境や乾燥した環境下での壊れやすさを改良した材料で、(1)合板、(2)繊維板、(3)パーティクルボードがあります。

家具の種類は大きく、(1)座具系家具、(2)台形家具、(3)収納系家具に分類されます。座具系家具の代表格は椅子やベッドなど、台形家具の代表格はテーブルや机など、収納系家具の代表格はタンス、書棚、食器棚などがあります。収納家具系は(1)衣類収納家具、(2)書籍収納家具、(3)食器収納家具、(4)装飾的収納家具、(5)新しい攻勢形式の収納家具に分類できます。書籍収納家具には書棚と本箱があります。衣類収納家具には洋服をハンガーででつるす部分とたたんだ洋服を引出しにしまう部分、扉の内側部分に身だしなみのチェックができる鏡がついたタイプが一般的の洋服ダンスやたたんだ衣類をしまう引出しが5・6段あり上部に小物を入れる引出しのついた整理ダンス、和洋折衷タイプの衣装ダンス、和だんす等があります。

家具に使用される金具は、部材どおしをつなぐための緊結金具、扉や引出しなどを開閉するための開閉金具、椅子や収納家具などの脚の先端等にとりつけて家具を移動しやすくしたり床を保護するための脚端金具に大別されます。部屋や玄関など扉などでよく見かける開閉のための金具は「丁番」または「ヒンジ」といいます。様々な形状のものがありますが2枚の羽と心棒から構成される形がベースとなっています。

椅子は座、脚、背、肘が主な構成要素で、座と脚だけのもの、座、脚、背で構成されるもの、座、脚、背、肘から構成されるものがあります。また椅子の主な用途によって張仕上げを薄くしたり、厚くしたりすることがあります。ソファのように休息度の高い椅子は背や肘の部分まで張った張りぐるみとした仕上がりとなっています。

ベッドは、フレーム(ベッドボード、フットボード、サイドレールからなる)とボトム、マットレスから構成されています。ボトムはマットレスを乗せるための台状のものです。脚の高いベッドは、ベッド下の収納スペースが大きくなることと掃除がしやすいというメリットがあります。また寝心地を優先したいときは部屋の大きさとのバランスを考慮したうえでなるべく広いタイプを選ぶとよいでしょう。

テーブルは、甲板と脚から構成され、デスクは、甲板、脚、袖から構成されます。甲板は料理や物をのせるための板状の部分で、木材、プラスチック、ガラス、金属、石などのさまざまな材料が使われます。デスクの構成要素の一つである袖は、引出しや棚、開き戸などの箱の形をした部分です。

たんす等の収納家具は、箱状部分と台輪で構成され、箱状部分は上部の天板、下部の地板、左右の側板、背面側の背板から成ります。箱状部分の中を縦と横に仕切る板をそれぞれ中仕切り板、棚板といいます。シェルフユニットにモノを収納するときは下の段に重い物を置き、上の段に軽いものを置くことで、重心が低くなって家具が転倒しにくくなります。

食器収納家具は、食事をするときに使用する食器などをを収納するための家具で、食器戸棚とハッチがついた両面戸棚があります。両面戸棚はキッチンとダイニングスペースの間に置く棚で、両面から使用できるというメリットがあります。食器棚を選ぶ際は、キッチンに置くかダイニングに置くかによって適したものを選ぶとよいでしょう。手持ちのお皿で大きいものがある場合が、そのお皿を収納できるスペースがあるかどうかも確認しておきましょう。

照明器具は部屋を明るくして作業をしやすくするほか、目の健康を守る、転倒や災害、盗難防止、心理的な効果を期待した雰囲気を作るなどの目的も含みます。照明器具における光源の種類には、白熱電球、蛍光ランプ、HIDランプなどがあります。白熱電球はガラス球の中にあるタングステンのフィラメントへ電流を流して加熱させ、これによって放射された可視光を利用して部屋を明るくするタイプです。照明器具は取りつける位置によっても分類されることがあり、大きく天井取り付け器具、壁取り付け器具、置き器具(床やテーブルなどに置く)の3つに分かれます。また配光別では直接照明形の器具、半直接照明形の器具、全般拡散照明形の器具、半間接照明形の器具、間接照明形の器具に分類できます。